2015年10月23日金曜日

ITmedia名作文庫 太宰治『右大臣実朝』連載中





右大臣実朝太宰治

鎌倉時代に成立した古典『吾妻鏡』を典拠とした書き下ろし長編小説です。1943年9月25日、錦城出版社から刊行されています。源頼朝の四男で、金槐和歌集など歌人としても高名な三代将軍実朝の悲劇的な人生を、その没後20年に「私」が語る、という体裁をとっています。御坂峠の文学碑の碑文「富士には月見草がよく似合ふ」を作るとき、この小説の自筆原稿から集字されたことでも知られています。ITmedia 名作文庫では錦城出版社版を底本に、巻頭に解説「滅びの予兆に託した中期の意欲作」(北条一浩)を収録しました。口語文を2010年の常用漢字改定に照らし合わせ現代仮名遣いへ改めるとともに、常用外漢字にはルビを振り読みやすくした縦書版電子書籍です。(近日刊行予定)